メカニカルに込めたポジティブとネガティブの対比
動輝闇止 藤原正和 ・藤澤憲彦 2 人展 が開催中です。
作品自体が動くキネティックアートの藤原正和と、動いている姿を立体造形する藤澤憲彦は15年以上の親しい友人関係ですが2人展をするのは初めてというが驚き!
なので打合せや搬入も息がピッタリで、相反するような個性的な二人の作品が予想以上に、空間にしっくり馴染んでいることに、皆さん驚かれていました。
そして作品が動く音がBGMとなり、どんな音楽よりも心地よく感じられるご様子です。
2人に共通するのは「動くこと」への探求心。
道行く人も「何これ?面白そう!」と窓から見える藤原作品のユニークな「動き」に惹かれて自然と足を踏み入れてこられます。
メカニカルだけど、プログラミングされていないので不規則な動きがあたかも生きているような作品の数々です。
予想のつかない動きがコミカルで外国人も「良い意味で頭を使わずに見られる!でもその発想力に刺激を受け脳がリフレッシュされたような気がします。」
と一時のリラックス効果を作品から感じ取って頂けたようです。
一方、藤澤作品はハイテクなロボットをあえて天然素材と伝統技法で作ることで、皮肉めいたメッセージを発信したり、金属・木・樹脂など様々な素材で科学技術の進歩が私達にもたらす『闇』を表現しています。
メカだけど何とも温かみと(笑)を感じるのは彼の実直はお人柄の所以でしょう。
そして闇空間には二人の照明作品が、ダイナミック且つ影も面白い展示になっていて、ホントに沢山の来場者が楽しんでご覧頂いています。
藤原はLEDを使い、影も洗練されライティングの域を超えたオブジェ的なもの。
浮遊感漂う動きのあるものや和紙の柔らかさを活かしたものから金属のクールさを強調したものまで様々です。
藤澤は日常生活で親しんでいる陶器で、宇宙に夢と希望を抱いたスターウオーズ作品。
作品内に夜光塗料を塗ることで光源を持たすとも発光する様に試みています。
それぞれの作風である『動』と『止』を対比させ、『輝』と『闇』は明暗だけではなく、作品に込めたポジティブとネガティブの対比も観察してみてください。
滅多にお目にかかれない2人展です。 息の合った今展を是非この機会にお見逃しなく。
また二人が今展で何かを学びとり今後の糧になって活動の幅を広げていってくれたらと願っています。
PS: 見逃された方のために今展の全様を動画にアップしています →コチラ