アートの中でアートを観る建築物
広島県の二つの話題のアート建築物を訪ねてきました。
神勝寺 禅と庭のミュージアム
禅の教えをより多くの人に開かれたものとして体験してもらいたいと茶室・庭・アートパビリオン<洸庭>が自然の中に点在している神勝寺。
設計はアーティスト名和晃平。
外見は潜水艦のように大きな船のようで圧倒されました。
石のランドスケープの上に伝統建築のこけら葺きの技法で建物全体は木材で包まれています。
お庭には四季桜のピンクの可愛い花と色づき始めたもみじを目にする事ができました。
中に入ると闇の中で水・波・光そしてさざ波の音を感じる瞑想体験。
現在美術の領域から禅の教えを解釈/表現した、禅とアートとをあるいは禅の過去と未来とを架橋するインスタレーション作品です。
互観堂という茶房では5枚組の器と太くて長い「雲水箸」を使い、普通のうどんの2・3倍は太い湯だめの「神勝寺うどん」を懐石の作法で頂きました。
他にも白隠コレクションの展示室や「不審庵」を再現した茶室、築350年経た藁葺の茶房、竹林の緑を映す浴室など、福山の山奥に様々な体験ができる広大な禅寺です。
アートの中でアートを観るがコンセプトの下瀬美術館
ミラーガラスの外壁と水盤に並ぶ8色の可動式展示室は類を見ないと近年人気です。
エントランスは枝を広げたような大木のような建築美。
渡り廊下のミラーガラスを人と周囲の自然や建物を映す不思議な景色。
建築家、版 茂が海に浮かぶ瀬戸内の島々から着想し、感性をくすぐる鑑賞空間やエミール・ガレが愛した植物にちなんだ庭園など訪れる人を楽しませてくれます。