見る人の心をうつしだす円[EN-SO]
〇EN-SO●が
2022年6月4(土)~6月12日(日)11:00~18:00(最終日17:00まで・会期中無休)に開催予定です。
円は欠けることも、余すところもない完全な円満であり、始まりもなければ終わりもない、無限の宇宙です。
これを見た時、この円がどのように見えるでしょうか?
見る人の気持ちやその境遇によって力強く見えたり、不安定な気持ちになったりするかもしれません。見る人の心をうつしだす円。「円窓」と書いて「己の心をうつす窓」という意味で用いられることもあり、解釈は見る人に任されるものでもあります。
世界を繋ぐ平和にも輪が不可欠な昨今!20名のアーティストが解釈し表現された様々な円がテーマの作品群をお楽しみください。
出展アーティストからのコメントです。
【絵画】斉藤真人
夜の帰り道 丸く輝く街灯の灯りが 家族の待つ家までの道を 優しく照らしている。
この灯火 絶えないよう ずっと平和を願いたい。
【絵画】正垣有紀
今回の作品は人や動物や目に見えないもののリズムが崩れ、消えていく動物達や音楽を奏でる楽器すら作れなくなっている。。
シャボン玉を常に絵の中に入れて描いてきましたが、今回もそんな現状を映し出すシャボン玉の円が円窓です。
【絵画】田實千絵
ミミズが落ち葉を運ぶ時は視覚ではなく味覚に従う。みつばちは花を認識しているのではなく、開花した花とツボミを図形で選別している。生き物は自身にとって意味のある事象を知覚し行動する。それぞれに主体的な知覚と意味付けで作られた空間を持っているのだ。あなたと私は違う空間を持っている。それは重なる事はあっても合致することはない。摩擦を生じ、変化し、共鳴する事はあっても完全に一つに融合する事はない。だからこそのこの世界。
【絵画】ふるかわかずみ
観る人の心を映し出す円相、それは人々が共同体の中で生きていく上で、理想の世界像を求める願望から来るのかも知れません。
アートはコミニケーションツールだと考えている私は、この円相の作品を通して、観ることで思索し考え、そしてそれを楽しむ。その思索こそ分かり合える第一歩なのではないかと考えます。今は空、風、地、から紡いだ作品にしました。火は今はいらない(笑)
【油彩画】大西節子
木々は秋にその葉を落として体力を温存し厳しい冬を乗り越えます。そしてやがて迎えた春、老木に芽生えた新しい命<新芽>は希望の象徴です。自然界に備わった再生の力。春から秋へ、そしてまた春へ。巡りくる季節の中で私たちの命の時間も日々小さな再生を繰り返し、やがて自然界の大きな円環の中へと還っていきます。
【鉛筆画】松尾琢也
1999年より鉛筆画をはじめる。人物・風景描写による幻想的表現を主とする。
【墨絵】幸前育子
墨の色と、和紙の素材感の素朴で繊細な美しさが大好きで作品を制作しています。筆先で和紙に墨を吸わせたり、墨を落としたりして円形状に広がるさまを背景効果として取り入れています。
【墨絵】永田恵理
縁・円・○…というの私にとってはいろんなところに視線を巡らせたネコのように思えます。いろんなところへ行き、視線を配らせてじっと見つめる。視線の先にこの縁・円・○は希望があることかなのか本人しかわからない。小さいキャンバス作品も展示しているのでぜひこちらもごらんいただけたら幸いです。
【アクリル画】かまのなおみ
主に動物 人物画を中心にアクリル画 ネオカラーで描いています。
【アクリル画】住澤実貴古
○EN-SO●展のENを園と考えました。中でもそこだけ別世界の空間、動物園。日ごろ出会えないような外国の動物などが【縁en】あって日本の動物園で暮らしています。彼らの息づかいや意志ある瞳を作品に表せたらと思いました。色彩豊かな表現を目指しています。
【アクリル画】たてぐちけいこ
月の満ち欠けが好きです。夜空を見上げ時の流れを感じています。野の花が好きです。名前もよく知らないですが、人の手によって育てられたのでは無くて長い歴史を持ち、変わること無く春秋を繰り返します。無限の宇宙を感じます。描き続ける幸せや喜びを繰り返し感謝して、絵と生きて良かったと思います。
【アクリル画】RAQEL
今回のテーマであるenを輪廻転生のイメージとして描きました。人は最短で4年半で生まれ変わるそうです。今世で再び出会えると言う事。すでに何処かで出会っているのかもしれません。私の大切だった人達も来年には…。誕生する嬉しさと前世の記憶が無くなる寂しさで少し複雑な気持ちになりますが幸せな家に生まれて欲しいと願います。『出会いを大切に』と言う思いで描きました。
【箔アート】藤田有里子
今回のEN―SO展における私のテーマは「たゆたう物」。形のないような例えば香り、ひかり、流れ、時。ひとところから発せられた揺らぎが、たゆたえながら再び元に戻り、それを繰り返してゆくのです。それは朝の光の薄絹のようでもあり、大海原の渦のようでもあり、私たちが今生きているように、作品にも命が宿り何かを携えながらたゆたえ変化してゆくのです。
【切り絵】Hachi
「地球と女神」で登場する赤・青・黄の地球はシグナルを表しています。青(平和)は黄(警告)へ、黄は赤(危機)へ。そして更に青へと循環していく。輪のように。そんな地球の移り変わりを穏やかに見つめる3人の女神にとって、人間の置かれている状況などあまり関心がなさそうです。「月夜の約束」では〝欠けている〟と捉えられた部分にこそ実は隠された美があることを描きました。それはまるで忘れ去られた約束のような清らかさです。
【現代アート】田中佐弥
作品は旧約聖書にある伝道の書からの一説を作品に込めています。この伝道の書は聖書の中でもクリスチャンでなくとも多少なじみやすい「虚飾」や「虚無」「空」について書かれています。今回この2作品は私たちが見過ごして生きている虫になぞらえてその聖書の一説を表現しました。この小さな作品から「生きる」「時間」「命」について感じていただけたら幸いです。
【抽象造形】ゲーリン尚子
わたしたちが還帰る場所。震え振動し、集まり、融け合う、透き通った半透明の影。その情報は隔たりなく純粋に交換されるため、誤解も偏見もなく、憎しみもありません。愛だけが存在します。やがて内側から発光するように満ちexhaleされ、新たな循環が始まります。その「場」をsource(源) その生命や現象の目には見えない部分の原型をcore(核)と定義し、生命の無限の生成の大きな循環の円相を表現した抽象立体造形です。
【立体】紙細工ひこかみ
見える、カタチのある確実に存在する現性、そして丸いカタチの結界の向こうにある世界は、見えるとは限らない、気やウィルパワーのようなエネルギーのあるもう一つの世界。無心に没頭しフローゾーンに入っている時に、手の細胞が意識を動かしている!と感じるような時があり、手が結界を越える時をイメージしてみました。
【立体】中谷理恵
ぶたを主なモチーフに、絵画作品や立体作品を制作しています。2016年から本格的に活動を始め、以来毎年個展や企画展に出展を重ねてきました。最近は、立体制作がとても楽しい。「これ、面白いね」見て下さった方の「くすり」が、輪になってつながればいいな。それが今回のEN-SO展の、私のテーマです。
【陶芸】フルタミチエ
インナーサークル。
わたしは、わたしのなかにせかいをみつける。まだみぬ、なにかをさがす。作品は、分身でもあり、見知らぬ異世界のとびらでもある。
【インスタレーション】原口みなみ
日常にある些細なものを象徴化する作品制作を行う。表現方法は平面絵画からインスタレーションまで多岐に及ぶが、近年ではモチーフをデジタルドローイングし、切り紙や粘土でコラージュ、それを油絵にするという媒体を何度も移りかえていく表現技法をとる。