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「神仏」と「生死」の墨世界

前田彩華個展 陰日向に が3月15日(土)~23日(日)11:00~18:00(最終日は16:00まで)に開催中です。
水墨画の技法と、丸ペンによる墨の細密表現のみでなく、日本画材も駆使し金箔やプラチナを施し透明水彩を加えることで煌めく絵画です。
コンセプチュアルな様々なテーマの中には、女性の性を神秘的に美しく描いたかと思うと、小悪魔的な魔性を帯びていたり様々。
特に墨のモノクロの濃淡の美しさのみで描いている瞳は、一作品ごとに個性があり魅了されます。
両性具有のような性的な表現は、地球上に存在する稀な虫を擬人化してそれぞれの物語を描いています。
また動物モチーフにした死骸や可憐で素朴な花も、実際の生活体験の中で長く観察しているのでリアルで繊細な表現描写です。
メインの「神仏」がモチーフの作品も全て自分で足を運びお参りした神社仏閣のいわれや神話に基づいているので作品に深みがあります。
来場者も画像上だけでは分からない質感や描写力を目の当たりにすると、上下左右見る角度によって変化する美しさを楽しまれています。
マンガやイラストから始まり今は絵画や日本画にも昇華している作品には近年の大きな成長の幅が感じられます。
最新作はモノクロの人物に対して金やパールなど宝冠や装身具部分の立体感が3Dのように見えて、クリムト作品のグスタフを彷彿するような作風に変わりつつあります。
その独特の作風ならではの不思議さに「描いている所が見てみたい!」という感想も多々あります。
「神仏」と「生死」という切り離せない、表裏一体のものとして(光空間と闇空間)ひとつの空間で大小47点の作品が展示されています。
神戸での初個展は23日(日)まで、どうぞお見逃しなくご覧にお越しくださいませ。