墨の魅力に惹きつけらる二人展
筆墨親子 宮本信代×上田普 が
10月19日(土)〜27日(日)11:00〜18:00 (最終日16;00まで)に開催予定です。
書から油絵、水彩、クロッキーと渡り洋画の技法を取り入れた”墨の絵“を描く宮本信代。
その宮本から書を学び、独自の解釈で表現する上田普。
私が二人の親子展を京都で拝見してから13年が過ぎました。
宮本のお母さんの女性とは思えない勢いのある潔い線の墨絵に魅了され
反して息子の上田氏は、抽象的な文字のような柔らかくしなやかな細い線を操るアート作品という印象でした。
あれから封印したかのように開催されていませんでした。
仲の良い親子ながら口には出しませんが、刺激を受け合いながら切磋琢磨してきたであろう13年の間に、違う表現方法で別々に作品展を重ねてきました。
Sagaでは5年前の2019年の「上田普書作品展 蹟せき」では
削り墨と呼ばれる墨の生成過程で生まれるバリの部分を集め、それをすり鉢で水と合わせることで生まれる、独特の墨の表現。文字ではなく抽象的な墨の形は観る人の想像力で何にでも見えてくる。
一筆だけの墨のマチエールには生命力が感じられました。
Sagaでの6年前の2018年の個展 「宮本信代 墨の裸婦」では
磨いてきた<かな書道>を駆使して女性の柔らかさを線で画く。筆の先の細い線と墨の滲みで引算の裸婦表現。一瞬、抽象画のようにも見えてくる絵もありました。
担当した読売新聞朝刊の挿絵のように墨の濃淡や滲みで、その場の空気感が伝わってくる風景画などがありました。
そんな違う方向を歩みつつも筆線、墨の魅力に惹きつけられ独自の表現を模索し続ける親子による二人展です。
墨の面白さや二人の作風の変化もお楽しみください。